女性は妊娠中から母親になるのを日々実感するのに対し、男性は妊娠によう身体的変化を体験できないため、親になる速度は女性に比べ時間がかかると言われています(我が家でも日々実感されます笑)。やがて可愛いわが子が誕生し、幸せを描いた生活とは裏腹に、夫・妻ともに互いへの不満が募るばかりの乳幼児期子育てに突入するご家庭も多いのでは。そこには理由があります。ならば、その理由を明らかにして解決すればいいのです!産後の大変な時期を夫婦力合わせて乗り越えられれば絆が深まり、家庭が安定→パパ・ママの心が安定→仕事も安定→家計も安定→家族円満、という好循環も生まれます。
今回は、妊娠期~乳幼児期に焦点をあて、パパ育児の重要性とパパ向けの書籍をご紹介します。
なぜパパ育児が重要か
最近は、自治体などでも母子手帳をもらう時に同時に産後クライシスに関しての啓蒙が行われており、チラシでこのグラフを目にしたことがある方がいるかもしれません。
「産後クライシス」は、いつ終わるのか? | 産後クライシス | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準より引用
産後の妻の愛情は一気に子供に傾き、夫へは低迷する、また、低迷後に低迷し続ける群と回復群がいる。この愛情曲線の回復には産後の夫の育児への関わりが大きいとされています。回復が望めないと、後の離婚へと発展するケースもありますし、夫婦仲は子供に大きく影響します。
家庭の安定のために欠かせないパパ育児
・子供の自己肯定感:夫婦仲がいい家族では、高くなることが知られています。ストレス耐性等、将来の子供の生きやすさにも影響します。
・経済的安定:家庭が安定すると、両親の精神状態も安定し、仕事への意欲が保たれます。また、共働き家庭ならばダブルインカムが維持され家計も安定します。
そんな事言われたって、毎日忙しいよー、という貴方。間接育児、つまり部分的に妻を補う事から始める、のいうのはいかがでしょう。
miki houseのサイトが参考になりそうです。
https://baby.mikihouse.co.jp/information/post-6822.html?pages=1
産後の妻は自身の身体の劇的な変化と、断続的に続く授乳等の育児負担で文字通り必死です。そのため、夫の何が不満か、夫にどうしてほしいか、を具体的に分析して伝える事が難しく、また自分を客観視する余裕がありません。パパが上手にサポート出来ると素敵ですね。
パパスイッチの押し時
妊娠中の比較的余裕のあるうちから、ママもパパが育児へのスイッチを押しやすいようさりげなく段階的に誘導してあげられるといいですね。よく言われる押し時は以下。
1 妻から妊娠を告げられた時
2 妊婦健診時
3 産院、自治体、保健所主催の両親学級
4 立ち合い出産
5 育児をしていく中で
子供の成長に合わせ、育児の内容は変化しますし、年単位の息の長いプロジェクトです。PDCAサイクルを回す、仕事に似た部分はかなり多いと日々実感。ただ、仕事と違う点は、完璧を目指す必要はない事。そもそも家事・育児に完璧などないですし、家族の幸福度が高いのが一番です。
そして、プロジェクトの成功に欠かせないのが正確な情報収集です。ママ向けの育児雑誌はファッション性を重視する傾向にあり、案外ママも正確な情報を把握していない場合があります。そこで、客観的事実を集め分析するのが得意なパパの出番!
ということで、パパカードのご紹介です。
パパカード
日本精神科看護協会がフィンランドのものを日本向けにアレンジしてパパ向けの妊娠期~子育て期をサポートする冊子を出しています。“子どもの健やかな成長と母親・父親・兄弟など家族全体の心身の健康サポートを行う”ことを目的としたカード、との事で、4部構成になっています。
http://www.jpna.jp/images/pdf/papacard_kiyaku.pdf
おすすめ書籍
男性著者がパパに向けて書いた3冊。
それぞれの味わいがあります。
嫁ハンをいたわってやりたい ダンナのための妊娠出産読本 (講談社+α新書)
マンガ「コウノドリ」の主人公鴻鳥サクラのモデルとなった産婦人科医荻田和秀先生の本。妊娠出産での女性の身体・精神的変化、母子にかかるリスクがわかりやすく説明されています。ご自身の辛い体験も交えて、命の尊さを教えてくれていて、後書は泣けます。男性向けの育児アドバイスも、出来る事をやればいい、的スタンスで温かみを感じます。読めば貴方も周産期医療チームの一員になれるはず。
産院や自治体主催の両親学級と組み合わせるとより効果的。
新しいパパの教科書
妊娠〜3歳児くらいまでの期間を対象に書かれています。妻との共同育児に必要な事項がバランス良くまとまっています。私がよく利用させていただく、絵本サイトの情報等も載っていて痒いところに手が届く、といった感じです。イクメンブームに乗った2013年に出版された書籍のため、意識高めの内容でこの本通りに出来たらプロパパになれるでしょう笑。
2019年7月現在、情報が刷新された箇所で、私が気づいたところを併記しておきますね。
*p76 育児休業→最長2歳の前日まで
*p99 卵黄の開始時期→小児アレルギーの世界では、離乳食初期から始めるのがよいとされる趨勢。勿論、固ゆで卵の卵黄をごく少量から。
日本小児アレルギー学会 - 「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」の発表について
忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス
精神科医でスクールカウンセラーもされている明橋大二先生が自身を反面教師的に書いてくださっている温かみのある一冊です。産後から成人まで、網羅的に父の育児参加について書いてあり漫画が織り交ぜられていて、力が抜けている感じのところも読みやすいのでは。2007年初版で出版から10年以上経過してますが、父が自己肯定感に大事という点や妻と夫のコミュニケーションエラーと対処法の記載など、普遍的な内容となっています。最後の、p160「お父さん、生きていてほしい!」子どもが、最後に願うこと、は精神科医ならではの、一番大切なメッセージを読者に届けてくれています。
最後に
子供はパパ・ママ二人の子。子育ての最終目標は子供が自立(経済的、精神的、社会的)した大人になる事。これが共有出来れば自ずと夫婦それぞれが育児と家事を分担する必要性も見えてくるはず。性差でのコミュニケーションの取り方の特徴など、お互いに相手を理解して歩み寄る姿勢が大切ですね。
そして、パパ・ママのストレス調整も大切です。
こちらの記事もご参考にしていただけたら幸いです。
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