皆さんは日々のストレス管理、十分できていらっしゃいますか?私は以前、追い込まれやすい性格、と指摘を受けた事があり、『イライラしてきたな』『俯瞰できていないな』と気づくアンテナを高くするように意識して生活しています。今回はストレス調整法として近年注目されているマインドフルネスについて取り上げ、日常の中で簡単に実践できる方法を考えてみたいと思います。
ストレスとは
外部から刺激を受けた時に生じる緊張状態の事。適度なストレスは次の行動への躍動力を生みますが、それが過剰になると不安、イライラ、睡眠障害、といったストレス反応が現れます。この状態を放置するとうつ病などの疾患につながる可能性があるため注意が必要です。また、ネガティブなものだけでなく、結婚・昇進・出産などポジティブな出来事も変化をもたらす外的刺激のためストレスとなる事があります。
カナダの生理学者 ハンス・セリエが提唱したストレスに対する時間経過を簡略化してお示しします。
警告反応期:直後は一時的にストレスに対する抵抗力が下がり、抵抗力が高まる抗ショック相へと移行
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抵抗期:抵抗力を高めストレスとのバランスを保っている状態。休息とのバランスを崩しやすい。
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疲弊期:エネルギーが枯渇し、再び抵抗力が正常値以下に。長期間この状態が続くとストレス反応が現れる。
特に、過去に燃え尽き症候群のような状態になったことがある方なら、ストレス反応出現までの時間経過の流れは理解しやすいのではないでしょうか。可能であれば、警告反応期の時点で、自身で状況を客観視し、ストレス管理が出来るといいですね。そこで役立つのが、マインドフルネス、です。
マインドフルネスとは
"mindfulness" 直訳すると、注意深さ。元々は仏教用語の「念」から派生した概念で、瞑想法に由来します。現在では、ストレス調整法として広く認識されるようになりました。基本的な概念は、良い悪い等の判断をせず自分の状態をありのままに観察する事、今この瞬間に意識を向ける事、の2点に集約されます。
情報が溢れている現代において、何かに思考を巡らせる事が常態化しており、脳は休まる時間がありません。それがストレスに気づきにくくしている要因でもあります。そこで、注目されているのがマインドフルネスです。今この瞬間に意識を向ける事が出来れば、雑念から切り離され、思考がクリアになり、ストレスに対処しやすくなるのです。
一方で、マインドフルネス瞑想法はそれなりの習熟が必要なため、すぐに始めるにはやや敷居が高い印象を持たれる方もおられるのではないでしょうか。そこで、忙しい日常の中でも取り入れやすい以下をご提案してみようと思います。
日々の生活の中でできるマインドフルネス
ポイントは、マルチタスク(ご飯を食べながらスマホを記事を読みながら音楽を聴く、など同時並行でいくつもの事をする)ではなく、シングルタスクに集中する、です。
散歩する
皆さんのご自宅のご近所や通勤途中など、寄り道しやすいところにある公園や緑道を利用します。季節の移ろいを肌で感じる、草木の風でなびく音や鳥のさえずりに耳を傾ける、ご自身の足の裏の感触を味わう、 などです。一日のスケジュールの中に取り入れやすく、安上がりで、歩くことでリフレッシュの相乗効果が期待できます。
食事に集中する
食事中はスマホから目を離しましょう。そして、食事の味、香り、歯ごたえに意識を向けてみましょう。これも、わざわざ時間裂いたり余計な出費の必要がなく、日常に取り入れやすいと思います。
お風呂に入る
お湯の温度、体が緩む感じ、シャンプーや体を洗う時の指や泡の感触等に集中するとリラックス効果もさらに高まりそうですね。
好きな家事をする
これは家事をする余力がある場合限定ですが(笑)。
没頭でき、生産性もあり有意義ですね。
寝る前のストレッチ
入浴後、お休みになる前に体をほぐし、ご自身の身体の感覚を受け取る時間は最高に心地よく、快眠にもつながります。
おすすめ書籍
「精神科医の禅僧」が教える心と身体の正しい休め方
禅僧であり精神科医でもある川野泰周先生の著書です。主にビジネスパーソンに向けて書かれていますが、子育て世代のママ、パパに向けたメッセージも込められています。脳疲労と身体の疲労の関係性とそれをマネージメントするのに最適な方法であるマインドフルネスの実践法をわかりやすく解説していくれているバランスのいい一冊。こちらの記事で詳しくご紹介してますので是非ご覧ください。
最後に
マインドフルネスが身につくと、様々な不安から解放される、または不安を客観視でき対処法をクリアに思い描けるようになります。その結果、ストレスを自身で管理している感覚が生まれます。通好みの方は、『瞑想』『ヨガ』『座禅』『写経』など、書籍・教室を検索されてみてもいいかもしれませんね。
是非、明日から実践してみてください。
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